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【2026年8月改正】そのAI研修、助成金の対象外かも―― 「事業展開等リスキリング支援コース」の変更点と対策

公開日 読了時間 約12分 執筆 代表取締役 橋本 カテゴリ 専門家解説
2026年8月改正 そのAI研修、助成金の対象外かも|人材開発支援助成金 リスキリング支援コースの変更点と対策
※ 本記事のアイキャッチ:改正後の基準で「対象になる研修/ならない研修」を整理する
TL;DR / この記事の要点
  • 2026年8月3日、人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」が改正されました。
  • 「全社員向けのAIリテラシー研修」「汎用的なプロンプト講座」は、8月3日以降に提出する計画届から助成対象外になりました。
  • あわせて、eラーニング型の訓練は同一の従業員につき年度1回までに制限されています。
  • 適用の基準は研修の実施日ではなく職業訓練実施計画届の提出日。8月2日までに提出済みの計画は従来基準(経過措置)です。

はじめに:8月3日の改正で何が変わったか

生成AI研修・DX研修の費用を大きく支えてきた人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」が、2026年(令和8年)8月3日に改正されました。

結論からお伝えします。「全社員向けのAIリテラシー研修」「汎用的なプロンプト講座」は、8月3日以降に提出する計画届から助成対象外になりました。あわせて、eラーニング型の訓練は同一の従業員につき年度1回までに制限されています。

これからAI研修・リスキリング研修を助成金前提で計画している企業は、研修の中身と実施形式を見直さないと、受講後に「不支給」となるリスクがあります。この記事では、厚生労働省の公表資料に基づいて変更点を整理し、研修を検討する側が何を確認すべきかを解説します。

これから研修を計画する方へ

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この記事でわかること(変更点の全体像)

変更点内容影響
① 対象とならない訓練の見直しDX・GX関連の訓練は、受講者の職務に直接必要な内容であることが必須に。概念理解・リテラシー・汎用プロンプト講座は対象外「全社員一律のAI研修」が通らなくなる
② eラーニングの回数制限年度3回までの受講上限のうち、eラーニングは1人あたり年度1回まで。ライブ形式と組み合わせた研修もeラーニングとして数える動画教材・LMS中心の研修は年1回枠を消費
適用時期8月3日以降に労働局へ提出する計画届から適用。8月2日までに提出済みの計画は従来基準(経過措置)9月開催分あたりから新基準の審査に

出典:厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正 令和8年8月3日からの変更点について」(リーフレットLL080803開企01)

変更点1|「誰にでも役立つAI研修」は助成対象外に

今回の改正で、DX化・GX化に関する訓練のうち、次の目的のものが助成対象外と明記されました。

  • 職業または職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のもの
  • 職業・職務の種類を問わず、職業人として共通して必要となるもの

審査される3つの観点

労働局の審査は、次の3つで見られます。

  • 特定の職務に必要な知識・技能か — 受講者の具体的な業務に直結し、そのまま業務に使える内容か
  • 概念理解・リテラシーにとどまっていないか — 「DXとは何か」「AIの基礎知識」だけでは対象にならない
  • 訓練内容に沿って受講者を選んでいるか — 同じ研修でも、その業務を担当しない人が受講すると対象外

厚労省が示した具体例

訓練の例判定
生成AIを活用して商品提案書の構成案作成・文章生成・修正を学ぶ、営業担当者向けの訓練✅ 助成対象
生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練❌ 対象外
DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ訓練❌ 対象外
CO₂排出量の算定手順を学ぶ訓練を、算定業務の担当者が受講✅ 助成対象
同じ訓練を人事や営業の担当者が受講❌ 対象外

ポイントは、内容だけでなく「誰が受けるか」まで審査されることです。「営業向けの提案書作成研修」は対象でも、それを総務の方が受講すれば対象外になります。

また、カリキュラムの一部に対象外の内容(AIの基礎知識・リテラシー等)が含まれる場合、その時間は助成対象の訓練時間から除外されます。本コースは10時間以上の訓練が要件のため、「基礎2時間+実務8時間」の計10時間といった構成は、除外後に10時間を割ってコース全体が不支給になり得ます。ここは見落としやすい重要ポイントです。

変更点2|eラーニングは1人あたり年度1回まで

本コースの受講上限は同一の従業員につき年度3回までですが、このうちeラーニングによる訓練は年度1回までになりました。注意点は3つあります。

  • ライブ形式とeラーニングを組み合わせた研修(ブレンド型)も、「eラーニング」として回数に数えられます
  • 回数に数えるのは8月3日以降に提出された計画届に基づく訓練のみです
  • eラーニングは従来から賃金助成(1人1時間あたり最大1,000円)の対象外です(経費助成のみ)

ライブ配信(同時双方向型)は制限の対象外

ここで区別すべきは、「オンライン研修」がすべてeラーニング扱いになるわけではないことです。講師とリアルタイムに質疑応答できる「同時双方向型」のオンライン研修は、通学制と同じ扱いで、年1回制限の対象外・賃金助成の対象です。制限されるのは、LMS等で受講者が各自のペースで学ぶ自習型のeラーニングです。

年間で複数回の研修を計画している企業は、eラーニングの年1回枠をどこで使うか(あるいはライブ形式に寄せて枠を温存するか)の設計が必要になりました。eラーニングと集合研修の使い分けの考え方はこちらの記事で詳しく整理しています。

いつから適用?——8月3日以降の「計画届」から

適用の基準は研修の実施日ではなく、職業訓練実施計画届の提出日です。

  • 8月2日までに提出済みの計画届に基づく研修 → 従来基準(経過措置)
  • 8月3日以降に提出する計画届 → 新基準

計画届は訓練開始日の1か月前までに提出が必要なため、おおむね9月開催分から新基準での審査が始まっています。「以前に同じ内容で助成を受けられたから今回も大丈夫」は、もう通用しない可能性があると考えてください。

影響を受けやすい研修の特徴——5項目チェックリスト

自社で計画中の研修(または研修会社からの提案)に、次の特徴がないか確認してください。

  • 「全社員向け」「AIリテラシー」「プロンプト講座」を1本の計画で申請しようとしている
  • カリキュラムに「AIとは」「DXの潮流」等の座学が含まれ、それを除くと10時間を下回る
  • 動画教材・LMSでの自習が中心(=eラーニング扱いで年1回枠を消費し、賃金助成もない)
  • 受講者を職務ではなく部署や役職の一律で決めている(「管理職全員」等は職務による選定になりません)
  • 「助成金で実質無料」という営業を受けている(キャッシュバック等で実質負担が減ると、そもそも支給要件を満たしません。改正と同時に不正受給への対応も厳格化されています)

1つでも当てはまる場合は、計画届を提出する前に内容の見直しをおすすめします。

チェックに引っかかった方へ

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研修会社に確認すべき5つの質問

研修を外部に発注する場合は、次の5点を確認すると、新基準への対応度がわかります。

  • カリキュラムは職種別ですか? — 営業・経理・現場管理など、受講者の職務ごとに演習内容が分かれているか
  • 対象外の時間を除いて10時間以上ありますか? — 基礎・リテラシー部分を除外した助成対象時間で要件を満たすか
  • 実施形式はライブですか? — 同時双方向型なら年1回制限の対象外で、賃金助成も受けられる
  • 受講者の職務との対応を書類で示せますか? — カリキュラム表に対象職務・業務での適用場面が明記されているか
  • 見積は研修費とその他費用が区分されていますか? — ツール利用料等を研修費に合算した見積は審査で問題になり得ます

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新基準に対応した研修をお探しの方へ

カトルセの生成AI研修は、今回の改正を踏まえて職種別・実務直結型で設計しています。

  • 職種別カリキュラム — 営業・マーケティング・人事総務・経理・現場管理など、受講者の職務ごとに「翌日から業務で使う」演習中心の構成。厚労省が助成対象例として示した「営業担当者向けの提案書作成研修」と同じ型です
  • ライブ形式(対面/オンライン同時双方向) — eラーニングの年1回制限の対象外。専用のAI実習環境で、受講者全員が手を動かしながら学びます
  • 審査を意識した書類設計 — カリキュラム表に対象職務・業務での適用場面を明記し、対象者選定のためのシートもご提供。申請手続きが必要な場合は、提携の社会保険労務士をご紹介します

「いま計画している研修が新基準で大丈夫か見てほしい」という段階のご相談も歓迎です。

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※ 本記事は2026年8月11日時点の厚生労働省の公開情報に基づく参考情報です。支給要領・支給額・要件は変更される可能性があり、支給の可否は都道府県労働局の審査により決定されます。申請にあたっては必ず厚生労働省の最新のパンフレット・リーフレットをご確認のうえ、必要に応じて社会保険労務士にご相談ください。

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FAQ / よくある質問

人材開発支援助成金の改正に関するよくある質問

すでに申請済みの研修はどうなりますか?
8月2日までに労働局へ提出済みの計画届に基づく研修は、従来の基準が適用されます(経過措置)。内容の変更は不要です。
生成AI研修はもう助成対象にならないのですか?
対象になります。ただし「誰にでも役立つ汎用講座」ではなく、「営業担当者が提案書作成に生成AIを使う」のように、職務に直結した内容を、その職務の担当者が受講することが条件です。
オンライン研修はすべてeラーニング扱いですか?
いいえ。講師とリアルタイムにやり取りできる同時双方向型のオンライン研修は通学制と同じ扱いです。年1回制限の対象は、LMS等で自習する形式のeラーニングです。
助成額はどのくらいですか?
中小企業の場合、経費助成は対象経費の75%(大企業60%)、ライブ形式なら賃金助成が1人1時間あたり1,000円(大企業500円)です。上限額等の詳細は厚生労働省の最新パンフレットをご確認ください。支給の可否は都道府県労働局の審査により決定されます。
申請手続きは研修会社に任せられますか?
できません。助成金の申請手続き(申請書の作成・提出代行等)は社会保険労務士の独占業務です。研修会社が「無償で申請代行します」と言う場合はむしろ注意が必要です。研修会社に求めるべきは、審査に耐えるカリキュラム・時間割等の書類を整えることです。
SUPERVISOR / 監修者

この記事の監修者

K.H

橋本 健太郎

株式会社カトルセ 代表取締役

生成AI研修・AI開発・AI顧問・PM/PMO支援を提供。累計2,000名以上のAI研修を支援し、大手企業の生成AI活用、Dify/RAG/AIエージェント導入、業務改善プロジェクトに携わる。実務に直結する「使えるAI活用」を一貫して伝えている。

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