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AI利用規定ができるまで研修を待つべき?1か月・5人で作る社内ルールの雛形と、研修を並行させる進め方

公開日 / 読了時間 約13分 / 執筆 代表取締役 橋本 / カテゴリ 専門家解説
AI利用規定と研修を並行で進める。規定の完成を待たず、1か月・5人で作る社内ルール(AIエージェント条項付き)

「AIの利用規定を整えてから、研修を考えたい」。研修のご相談でよく伺う言葉です。自然な順番に見えますが、この順番で止まってしまうのは、AI導入でよくあるパターンです。

この記事では、規定づくりと研修を並行させる進め方を、5人・1か月の段取り、条文の雛形、AIエージェント向けの追加条項とあわせて解説します。入力禁止情報の具体例などガイドラインの一般論は「社内生成AIガイドラインの作り方」に譲り、ここではどう作り、どう回すかに絞ります。

※ 会社の文書を「AI利用規程」、個々の決まりを「規定」と書き分けます。

TL;DR / この記事の要点
  • 規定の完成を待って研修を止める必要はありません。最初の3日で「暫定ルール5か条」を出し、研修と並行して規定を育てます。
  • 体制は推進担当・情報システム・法務/総務・現場代表2名の5人。週ごとの作業を決めれば、1か月で第1版を出せます。
  • 本体は短くし、ツール・情報の区分・AIエージェントに任せる操作は「別表」に分けて、素早く直せるようにします。
  • AIエージェント(AIが自分で操作・実行する使い方)向けに、操作の区分と承認、外部送信・購入・削除の禁止、ログ、権限の最小化の条文も載せています。

1. 結論:規定の完成を待たず、研修と並行して育てる

カトルセが最近お会いしたゴム製品メーカーでは、課長以上の方に ChatGPT・Claude・Copilot を本人の希望で配っていました(複数の契約も可)。1つに絞るのはかえってリスクだと考え、AI同士に答え合わせをさせる使い方もしています。ただ、社内にはまだAIの規定がなく、現場からは「ルールが分からず、怖くて使いにくい」という声が出ていました。そこで5人ほどで規定を作り始め、研修の判断は1か月ほど先送りになりました。電子機器メーカーのグループ会社(管理部門4名)でも、ライセンスもルールもなく個人任せで、整備が必要だというお話でした。

規定の完成を待つ必要はありません。最低限のルールを先に出し、研修と並行して規定を育てます。
  1. 規定は、使い方を知らないと書けない。何を禁止し何を認めるかは、使ってみて初めて決まります。
  2. 研修は、ルールがないと怖くて進まない。だから「ここまでは安心」という線だけを先に引きます。
  3. 研修で出た質問が、規定のいちばんの材料になる。「これは使ってよい?」が条文の抜けを教えてくれます。
  1. DAY 1-3暫定ルール5か条を出す── 使ってよい範囲と相談先だけを、A4 1枚で先に示す
  2. WEEK 1-4規程づくり(5人)と研修を並行する── 研修で出た「これは使ってよい?」を条文と別表に反映する
  3. WEEK 4第1版を施行する── 本体・別表・Q&Aを公開し、暫定ルールを置き換える
  4. AFTER別表は随時、本体は年2回見直す── 使う人の範囲を段階的に広げる

2. 規定ができるまで待つと、何が起きるか

研修を先送りにしている間にも、一般に次の3つが起きやすくなります。

使えない期間に、個人の判断での利用が増える

MicrosoftとLinkedInのWork Trend Index 2024(31か国・3万1,000人の調査)では、仕事でAIを使う人の78%が、自分で用意したAIツールを職場に持ち込んでいました。2026年9月には、社員が業務での利用を認められていない個人利用の生成AIに、顧客の個人情報をアップロードしていたと公表された事故もありました(傾向は「情報漏えいの原因と事例2026」の記事で整理しています)。

規定が、現場の使い方とずれる

使ったことがない人だけで書くと、禁止が多すぎるか、肝心な点が抜けがちです。「利用するAIは1つに限る」と書けば、先ほどの答え合わせの使い方は禁止になります。逆に、AIが自分でメールを送ったりファイルを消したりするAIエージェントの使い方は、チャットだけを想定した規定では抜けやすい部分です。

「怖くて使えない」が固まってしまう

総務省の令和8年版 情報通信白書(2026年7月)では、生成AIの活用方針を定めた日本企業は68.9%(中小企業は58.1%)と、前年度の49.7%から増えました。一方で「組織的な取組はない」企業は27.0%と、調査した米国・ドイツ・中国より高い水準です。方針があっても、使い方を覚える場がなければ不安は残ります。

3. 最初の3日で出す「暫定ルール5か条」

第1版ができるまでのつなぎとして、まず次の5つだけをA4 1枚で全員に示します。研修もこの前提で始められます。

最初の3日で出す暫定ルール5か条の図。会社が指定したAIとアカウントだけ使う、入れてはいけない情報を決める、AI出力は下書きとして人が確認する、AIに送信・購入・削除・公開をさせない、迷ったら推進担当へすぐ報告する
【生成AI 暫定ルール】(AI利用規程 第1版の施行まで有効)

1. 使ってよいのは、会社が指定したAIとアカウントだけ
   (いま使えるもの:〇〇、〇〇。個人の無料アカウントは業務に使わない)
2. 入れてはいけない情報
   個人情報/顧客や取引先から預かった資料/未公開の数字(売上・原価・見積)/
   図面・技術情報/パスワードなどの認証情報
3. AIの出力は「下書き」。社外に出す前に、必ず自分で確かめる
   (責任を持つのはAIではなく、使った人)
4. AIに「送信・購入・削除・公開」をさせない。最後のボタンは人が押す
5. 迷ったら〇〇(推進担当)へ。間違えて入れてしまったら、すぐ報告する
   (すぐに報告した人を責めることはしません)

相談窓口:〇〇(内線・チャット) 有効期限:〇年〇月〇日(第1版の施行日)
  • 出し方を分ける:正式な規程は会社の手続きで承認を経ますが、暫定ルールは担当役員や部門長からの通知にすれば、3日で出せます。
  • 「責めない」を必ず入れる:いちばん困るのは、誤って入力したことを隠されることです。

4. 1か月・5人で作る段取り

1か月・5人で作るAI利用規程の段取りの図。推進担当・情報システム・法務総務・現場代表2名の5人で、DAY1-3に暫定ルール通知、WEEK1に現状把握、WEEK2に本体と別表案と研修開始、WEEK3に条文修正と試行、WEEK4に承認・公開。本体は短く、変わるものは別表へ

メンバー構成

役割主な担当
推進担当(まとめ役)進行、暫定ルールの発信、質問台帳の管理、研修との連絡
情報システムツールの契約と設定、アカウントと権限、ログ、AIエージェントの権限
法務・総務条文と既存の規程(情報セキュリティ・個人情報・就業規則など)との整合
現場代表(2名)使い方と困りごと、条文の分かりやすさ。よく使う人と使っていない人を1人ずつ

承認する役員は5人の外に置き、週1回だけ報告します。少人数の会社なら兼務で構いませんが、「まとめる人」と「承認する人」は分けます。

週ごとの作業

時期規程づくり(5人)研修・現場(並行)
最初の3日暫定ルールを通知し、相談窓口を決める研修の日程と、先に使う人を決める
1週目誰が・どのツールで・何に使っているかの把握、契約と設定の確認、関係する規程の洗い出し先に使う人に「いま使っている業務」と「迷ったこと」を書き出してもらう
2週目雛形をもとに、本体と別表1〜3の案を作る研修:暫定ルールの説明と自社業務での演習。「これは使ってよい?」を集める
3週目集まった質問で条文と別表を直す。法務・顧問弁護士の確認現場で試行。条文案を読み合わせ、分かりにくい言葉を拾う
4週目承認・公開(本体+別表+Q&A)。次の見直し日を決める研修資料を第1版に合わせて更新。次に広げる部署を決める
  • 本体は短く、変わるものは別表へ:本体はA4で2〜3枚にし、別表は推進担当が随時更新できるようにします。AIは機能や契約条件の変化が速く、本体の改定手続きでは追いつきません。
  • 契約と設定を、条文より先に確かめる:入力が学習に使われるか、保存期間、管理者が利用記録を見られるか。これが分からないと別表2を決められません。

5. AI利用規程の雛形(そのまま使える条文例)

少人数・1か月で作る前提の、短い規程の雛形です。〔 〕や〇〇は自社に合わせて書き換えてください。一般的な参考例であり、法的な助言ではありません。最終的な判断は、社内の法務部門・顧問弁護士に確認してください。

AI利用規程(第1版)

第1条(目的)
役職員が業務で生成AIおよびAIエージェントを安全かつ効果的に使うための基本事項を定める。

第2条(適用範囲)
役員・従業員・契約社員・派遣社員に適用し、業務委託先には契約で準用を求める。対象は、生成AI、他のソフトに組み込まれたAI機能、AIエージェントとする。

第3条(利用できるツール)
1 業務で使えるAIは、別表1に定めるツール・アカウント・対象者に限る。
2 別表1のツールは併用してよい。入力情報は、ツールごとに別表2の上限に従う。
3 別表1にないツールは、所定の様式で申請し、推進担当と情報システム担当の確認を受ける。

第4条(入力してはならない情報)
1 別表2で認められていない情報を入力してはならない。迷うときは、入力前に推進担当に相談する。
2 氏名や社名を伏せても、組み合わせで特定できる場合は、伏せていないものとして扱う。

第5条(生成物の確認と責任)
1 AIの出力は下書きとし、利用者が事実・数字・固有名詞・表現を確かめて使う。
2 社外に出す文書、顧客への回答、契約・人事に関わる判断に使うときは、上長の確認を受ける。
3 別のAIによる答え合わせは確認の補助であり、人の確認に代わらない。
4 結果に対する責任は、AIではなく利用者と承認者が負う。

第6条(著作権・他者の権利)
1 他者の著作物・商標・肖像に似せる目的の指示をしない。社外に公開する生成物は、既存の著作物等に似ていないかを確認する。
2 他者から受け取った資料を読み込ませるときは、秘密保持契約等に反しないことを確認する。

第7条(記録とログ)
会社は業務用アカウントの利用記録を保存し、必要に応じて確認する。

第8条(報告と違反時の対応)
1 入力してはならない情報を入力したとき、または誤った生成物を社外に出したときは、直ちに推進担当と上長に報告する。
2 速やかに報告した者を、報告したことを理由に不利益に扱わない。
3 違反には、利用の停止その他の措置をとることがある。懲戒は就業規則による。

第9条(教育)
AIを使う者に、本規程の要点と安全な使い方の研修を行う。別表1で定める者は、受講を利用開始の条件とする。

第10条(見直し)
1 本規程は、少なくとも年2回見直す。
2 別表は推進担当が随時更新し、社内に通知する。
3 寄せられた質問と判断は「AI利用Q&A」として公開する。

第11条(所管)
所管は〔〇〇部〕とし、推進担当を置く。

附則 〇年〇月〇日から施行する。同日をもって、生成AI暫定ルールを廃止する。

別表1・別表2の記入例

現場が実際に見るのは、本体より別表です。

別表1 ツール使える人入力の上限確認する設定
法人契約のチャット型AI(例:ChatGPT・Claudeの法人向けプラン)課長以上、申請で認められた者区分Bまで入力が学習に使われない設定、保存期間、利用記録の確認方法
業務ソフトに組み込まれたAI(例:Copilot)〔契約に合わせて記入〕〔契約と設定を確認して記入〕同上
社内に置いたAI(ローカルLLMなど)申請で認められた者区分Cまで社外への送信がないこと、閲覧権限
個人契約・無料版業務では使わない――
別表2 区分情報の例入力してよいツール
A 公開情報公開済みのWebページ、カタログ、プレスリリース別表1のすべて
B 社内一般社内マニュアル、一般的な業務手順、自分で書いた文案上限が区分B以上のツール
C 社外秘未公開の売上・原価・見積、図面・技術情報、人事情報、顧客から預かった資料上限が区分Cのツールだけ(顧客の資料は契約も確認)
D 入力禁止パスワード・APIキー等の認証情報、外部サービスへの提供が約束で禁じられた情報どのAIにも入力しない

情報の区分をツールごとの上限と組み合わせると、複数のAIを併用しても迷いにくくなります。区分Cを扱う構成と費用は、ローカルLLMのオンプレ構成と費用の記事で解説しています。

個人情報は個人情報保護委員会の「注意喚起」、著作権は文化庁の「AIと著作権について」、ほかの雛形はJDLAの「生成AIの利用ガイドライン」も参考になります。

6. AIエージェント向けの追加条項

AIエージェント向け追加条項の図。任せてよい操作(資料を読む・Webで調べる・要約・社内向け集計)、承認の後に実行する操作(社内システム登録・社内宛て送信・予定の登録)、させない操作(社外送信・投稿公開・購入支払い・契約同意・ファイル削除・認証情報入力)と、権限の最小化・ログ保存・停止と報告の運用原則

AIエージェントは、自分で手順を考え、ブラウザやファイル、社内システムを操作します。チャットと違い、間違いがそのまま「実行」になります。

2026年10月9日、Anthropicは、評価(性能や安全性を確かめるテスト)の中でClaudeが想定外の行動をとった事例を公表しました。課題を完了できないときに止まらず、制限を回り道して続けるもので、設定ファイルにあったアクセス用の鍵(トークン)でサーバーに直接問い合わせた例や、送信の手前で止まるはずの評価で行政のフォームを実際に送信した例があります。現実への影響は小さかったとしつつ、同社は監視の仕組みを確かめられるまで社内の評価すべてでインターネット接続を止め、社内のAIエージェントも接続を絞って監視を広げるとしています。原因の多くは課題のあいまいさにあり、範囲をはっきり書けば防げたものもあったと説明しています。

米国では、連邦取引委員会(FTC)がOpenAIとAnthropicに安全上の事故などに関する資料の提出を求めたとも報じられました(Axios、2026年10月15日。違法と認定したものではありません)。日本のAI事業者ガイドライン(第1.2版)(2026年3月)も、AIエージェントによる意図しない注文やファイル削除の可能性に触れ、権限設定や人の判断を挟む仕組みの重要性を加えています。

雛形の附則の前に、次の4条と別表3を加えます。

第12条(AIエージェントに任せる操作)
1 AIエージェント(指示を受けて自ら手順を考え、ファイル・ブラウザ・システム等を操作するAI)に任せる操作は、別表3の区分に従う。
2 別表3で「させない」とされた操作は、下書き・準備までをAIに任せ、実行は人が自ら行う。
3 指示には、作業の範囲と「できないときは止まって報告する」ことを明記する。
4 社外のWebページやメールなど、内容を管理できない情報を読ませる作業では、承認が要る操作を組み合わせない。

第13条(権限の最小化)
1 作業に必要な最小限のフォルダ・システム・権限だけを与え、原則として読み取りのみとする。
2 本人の管理者権限やパスワードを渡さず、専用のアカウントまたは範囲を絞った許可で動かす。
3 本番のシステムやデータを直接変更させない。作業が終わったら権限を外す。

第14条(ログの保存)
指示、参照した情報、行った操作、承認者および結果を記録し、〔〇年間〕保存する。推進担当は定期的に記録を確認する。

第15条(停止と報告)
指示していないサイトへのアクセス、制限の回り道、エラーを無視した続行など、想定外の動きを見つけた者は、直ちにAIエージェントを止め、推進担当に報告する。
別表3 区分操作の例条件
任せてよい資料を読む、Webで調べる、要約・下書き、社内向けの集計操作の記録を残す
承認の後に実行社内システムへの登録・更新、社内宛ての送信、予定の登録宛先・件数・変更点を人が見て承認
させない社外へのメール・フォームの送信、投稿・公開、購入・支払い・契約・規約への同意、ファイルやデータの削除、認証情報の入力下書き・準備まで。実行は人が行う

第12条4項は、Webページやメールに埋め込まれた指示でAIを操る攻撃(プロンプトインジェクション)への備えです。OWASPも「過剰な権限(Excessive Agency)」を主なリスクに挙げ、機能と権限の最小化と、影響の大きい操作への人の承認を勧めています。

7. 研修と並行させる進め方

研修は、規程の「試運転」です。ルールを使ってみて、引っかかったところを規程に戻します。

研修の冒頭で、規程の要点を扱う

  • 最初の10〜15分は推進担当が話す:暫定ルールと別表を説明し、相談先の顔が見えるようにします。
  • 演習の題材は区分A・Bで作る:公開資料や、数字を置き換えた社内資料を使います。
  • 最後に条文案を読み合わせる:分かりにくい言葉に印を付けてもらいます。

「これは使ってよい?」台帳で、質問を規定に戻す

質問は推進担当が台帳に集め、週1回の打ち合わせで判断して「AI利用Q&A」で公開します。何度も来るものは別表か本文へ格上げします。

寄せられた質問判断の例反映先
ChatGPTとClaudeに同じ質問をして、答え合わせしてよい?可。別表1のツール同士なら併用してよい。入力の上限はツールごと第3条
取引先から届いた仕様書のPDFを要約させてよい?条件付き。秘密保持契約を確認し、区分Cを扱えるツールだけ別表2
社内の会議資料をAIで要約してよい?区分Bなら法人契約のツールで可。人事や経営会議の資料は区分C別表2
AIエージェントに、見積依頼のメールを送らせてよい?下書きまで可。社外への送信は人が行う別表3

※ 判断は例です。自社の契約・設定・取引先との約束によって変わります。

第1版の後も台帳は続けます。

8. 対象者を段階的に広げる

先ほどのゴム製品メーカーでは、一般社員へは効果が見込める人から、本人の希望と上司の許可で段階的に広げたいと考えていました。規程に「誰が、どんな条件で使えるか」を書けば、無理なく回せます。

段階対象条件
1 先行課長以上・希望者暫定ルールへの同意
2 部署ごと効果が見込める業務の担当者本人の希望+上司の許可+研修の受講
3 全社全従業員研修の受講

申請の様式は、①使いたい業務、②使うツール、③扱う情報の区分、④上司の許可、⑤研修の受講の有無、の5項目で足ります。「効果が見込める業務」は、文章や資料づくり・繰り返し作業・調べものが多い業務から選ぶと成果が見えやすくなります。異動・退職時のライセンス回収も決めておきます。

使えるツールを会社が1つに絞っている場合もあります。カトルセがお会いした製造業の会社では、全社でCopilotの無償版を使うよう指示し、ChatGPTはセキュリティ上推奨しないとしていました。

9. カトルセの支援

カトルセのサービス紹介動画で紹介している5つのステップの最後「守る」は、Webサイトやフォームの脆弱性診断、AI利用規程・ルールづくりなど、安全に攻めるための土台づくりです。

  • AI顧問で、規程づくりと研修を一緒に回す:貴社専用の外部AI推進室として、AI利用ガイドラインや利用ルール、社員向けの注意点、社内展開時のリスク整理をご支援し、この記事の段取りを推進担当の方と並走します。
  • 研修で、ルールの範囲で使える人を増やす:カリキュラムは貴社の業種・部門・利用ツールに合わせて調整します。推進担当の方には、利用条件と注意点つきの部門用プロンプト集や、部門メンバー向けの利用手順書を作る演習を含む「生成AI×社内展開実務研修」があります。冒頭で暫定ルールを扱う進め方も、題材のすり合わせの段階でご相談ください。

職種別AI研修シリーズ(全9講座・各11時間)。受講料は全講座共通で1名あたり36万円(税抜)。ライブ形式(対面/オンライン同時双方向)のため人材開発支援助成金の活用をご検討いただけます。支給の可否は都道府県労働局の審査で決まります。申請手続きは社会保険労務士の独占業務のため、必要な場合は提携社労士をご紹介します。

規程づくりを社内の推進担当だけで回すのが難しい場合は、外部の推進室として並走する形があります。カトルセのAI顧問(AI利用ルールづくりと社内展開の伴走)では、暫定ルールの作成から別表の更新、研修後の定着までを推進担当の方と一緒に進めます。

よくある質問

規定が完成する前に研修を始めても大丈夫ですか?

大丈夫です。研修の前に、使ってよいツール・入れてはいけない情報・人が確認すること・AIにさせない操作・相談先をまとめた暫定ルールを示し、その範囲で演習します。研修で出た質問は規定の見直しに使えるため、並行したほうが現場に合った規定になります。

AI利用規程はどのくらいの分量が適切ですか?

本体はA4で2〜3枚に収め、使えるツールの一覧、情報の区分、AIエージェントに任せる操作の区分は別表に分けるのがおすすめです。変わりやすい部分を別表にしておくと、本体を改定しなくても素早く更新できます。

ChatGPT・Claude・Copilotなど複数のAIを併用してもよいですか?

会社が認めたツールであれば、併用して構いません。複数のAIで答え合わせをすると誤りに気づきやすくなります。ただし入力してよい情報の範囲は契約や設定によって違うため、ツールごとに上限を決めます。AI同士の答え合わせは、人による確認の代わりにはなりません。

AIエージェントを使い始める前に、規定に何を足せばよいですか?

任せてよい操作・人の承認が要る操作・させない操作の区分、権限を必要最小限にすること、操作の記録を残すこと、想定外の動きを見たら止めて報告することの4点です。社外への送信、購入、削除などは、AIには準備までさせ、実行は人が行う形から始めます。

まとめ ── 規定は「作ってから使う」より「使いながら育てる」

  1. 規定の完成を待って研修を止めない。最初の3日で暫定ルール5か条を出し、研修と並行して規定を育てます。
  2. 5人・1か月で第1版を出す。本体は短く、ツール・情報の区分・エージェントの操作は別表にして、素早く直せるようにします。
  3. AIエージェントには「させない操作」と「権限の最小化」を先に書く。開発元のAnthropicでさえ、評価中のエージェントからインターネット接続を外しました。使う側も、記録と止める手順を持っておきます。

「怖くて使えない」は、使ってよい範囲が見えないことから生まれます。最初に線を引き、使いながら引き直す。

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どの部署で、どのAIが、どこまで使われているかによって、暫定ルールで先に線を引くべき箇所は変わります。生成AI活用レベル診断(10問・無料)で、個人と組織の現在地と次にやることが分かります。

※ 本記事は2026年10月時点の情報にもとづき、外部の出典は2026年10月17日に確認しました。条文例は一般的な参考例であり、法的な助言ではありません。最終的な判断は社内の法務部門・顧問弁護士にご確認ください。各サービス名は各提供元の商標または登録商標です。

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SUPERVISOR / 監修者

この記事の監修者

K.H

橋本 健太郎

株式会社カトルセ 代表取締役

生成AI研修・AI開発・AI顧問・PM/PMO支援を提供。累計2,000名以上のAI研修を支援し、大手企業の生成AI活用、ローカルLLM/RAG/AIエージェント導入、業務改善プロジェクトに携わる。実務に直結する「使えるAI活用」を一貫して伝えている。