専門家解説 #製造業 #図面 #AI開発

図面のAI化は「検索・検図・伝承」に分けて解く。形が同じでサイズ違いがヒットしない問題とPoCの進め方

公開日 / 読了時間 約15分 / 執筆 代表取締役 橋本 / カテゴリ 専門家解説
図面検索・検図をAIで効率化。類似図面がヒットしない原因と2段階検索、PoCの進め方(製造業・設計向け)
TL;DR / この記事の要点
  • 図面のAI化は「検索」「照合・検図」「知見の継承」の3つに分けて考えます。まとめて全自動を狙うと、評価の基準が決まらず中途半端に終わりがちです。
  • 「形が同じでサイズ違い」の図面が見つからないのは、画像の似ている度合いだけで探しているからです。形状で候補を絞り、寸法・穴数・品名・図番で絞る2段階検索で解けます。
  • 検図は、記載漏れなどの機械的なチェックはAIに任せやすく、機構の成立性や加工可否の判断はベテランに残すのが現実的です。
  • 技術伝承は、DR(デザインレビュー)議事録や不具合事例を根拠つきで検索できるようにするところから始めます。
  • PoCは対象を絞り、正解データと判断基準を先に決めてから始めます。

4社から届いた図面の相談

2026年10月、1週間ほどの間に、業種の違う4社から続けて図面の相談を受けました。カトルセが最近お会いした企業で伺った話を、社名を伏せて整理します。

業種困っていること・取り組んでいること
装置・設備の設計会社検図で記載漏れに加え、「搬送機構として成立していない」「部品が加工できない」といった考え方の誤りも見たい。ベテランの減少による技術伝承が最大の課題で、DR議事録をAIに読ませる試行中。年配層にはAIへの抵抗感がある
製造業(基幹システム販売会社の顧客)形が同じでサイズ違いの図面が多く、AIの図面検索でヒットしない。図面管理と見積積算の仕組みもうまく回っていない
半導体検査装置メーカーの工場2D(AutoCAD)と3D(SolidWorks)の照合が100枚以上。図面のデータベース化や2D→3D変換にも関心。機密のためオンプレミス(社内設置)が前提
自動車部品メーカーの研究開発部門設計データの「AI Ready化」と類似検索に取り組み中。外部ベンダーが構造化したデータと同じ粒度で自前でも作れるかをPoCで検証し、年度末に判断する方針。オントロジー(言葉の関係性の設計)は未着手

悩みはばらばらに見えますが、3つの種類に分かれます。図面以外も含めた製造業のAI活用の全体像と、大手の公表事例・費用相場は製造業のAI活用事例2026(設計・品質・技能継承)にまとめています。ここでは「図面」に絞って、解き方とPoC(小さく試して成立するかを確かめる検証)の進め方をお伝えします。

1. 結論:図面のAI化は「検索」「照合・検図」「知見の継承」に分ける

図面の困りごとは、AIに求める役割で3つに分けられます。

図面のAI化を検索・照合/検図・知見の継承の3つに分けた図。検索はAIが候補を絞り人が流用を判断、照合・検図はAIが指摘候補を出し人が承認、知見の継承はAIが議事録や不具合事例を検索・要約し人が判断理由を残す
領域やりたいことAIの役割人に残ること
検索(類似図面検索)過去の似た図面・見積を探して流用する候補を絞って並べるどれを流用するかの判断
照合・検図記載漏れ・食い違い・設計の誤りを出図前に見つける指摘の候補を一覧にする成立性・加工可否の判断、出図の承認
知見の継承ベテランの「なぜそうしたか」を残して引き出す議事録・事例を根拠つきで探して要約する何を残すかを決める、判断の理由を語る

3つは、うまくいったかの測り方が違います。検索は「探したい図面が上位10件に入るか」、検図は「見落としがないか」が基準です。まとめて作ろうとすると基準が決まらず、PoCが終わっても進むか止めるかを判断できません。

もう1つの原則は、いきなり全自動を狙わないことです。図面は出図後に製造・調達・お客様へと流れ、品質の責任は人が持ちます。AIが候補や指摘を出し、人が確定させる形から始めます。

「何を自動にするか」より先に、「3つのうちどれを解くか」を決める。図面のAI化はそこから始まります。

2. なぜ普通のAI検索では図面がヒットしないのか

「AIで図面を検索しても、探している図面が出てこない」。原因はたいてい次の4つです。

原因1:画像の検索は「形の印象」を比べている

AIの画像検索は、図面を数値の並び(ベクトル)に置き換え、数値が近いものを「似ている」と判断します。形の似た図面を集めるのは得意です。

ところが図面は、部品の大きさに合わせて尺度を変えて描かれます。外径10mmと12mmの同じ形のシャフトは、紙の上ではほぼ同じ絵で、違うのは寸法の数字だけです。サイズ違いが何十枚もあると、どれも「ほぼ同じ」として上位に並び、探したい1枚にたどり着けません。これが「ヒットしない」の正体です。

原因2:穴の数や位置の違いは、画像全体から見るとごく小さい

穴が4個か6個か、位置が数mmずれているか。設計者には別の部品でも、画像全体の中ではわずかな違いで、似ている度合いでは区別しにくくなります。

原因3:図面の文字情報がばらばら

材質は「SUS304」「ステンレス」「SUS」、品名は「ブラケット」「BRKT」と表記がゆれ、表題欄(図番・品名・材質などを書く欄)の様式も年代や部署で違います。スキャンした古い図面は、文字がデータになっていません。

原因4:生成AIに図面を丸ごと渡すと、細部を読み落とす

Anthropicの公式ドキュメントは、Claudeに渡した画像はモデルごとの上限(長辺2,576ピクセルまたは1,568ピクセル)を超えると縮小して読み取られ、文字が読みにくくなる場合があると説明しています。数や位置の出力もおおよそのもので、高い精度が必要な用途では人の確認を前提にするよう求めています(Anthropic「Vision」)。機械図面の読み取りを評価するベンチマーク「MechVQA」(ICML 2026採択)の論文も、汎用のAIは注記が密集した図面や、投影図から立体を読み取る推論で誤りやすいと報告しています(arXiv:2605.30794)。

つまり、「画像として似ているか」と「数値や文字が一致するか」は別の問題です。図面の検索は、この2つを組み合わせて初めて使えるものになります。

「サイズ違いがヒットしない」と相談を受けたとき、カトルセが提案したのは、検索を2段階に分ける方法です。

類似図面検索を2段階にする図。STEP1で形状の似ている度合いで候補を集め、STEP2で寸法・穴数・材質・品名・図番の属性で絞り込み並べ替える。サイズ違いは画像検索だけでは区別しにくい
  1. STEP 1形状で候補を絞る── 画像(3Dデータがあれば立体の形)の似ている度合いで、候補を広めに集める。「形が同じ仲間」を漏らさないことを優先する
  2. STEP 2属性で絞り込む・並べ替える── 寸法・穴数・材質・品名・図番などの値で絞り、並べ直す。サイズ違いはここで区別する

使う人は「この図面に形が近く、外径10〜12mm、穴4個、材質SUS304のもの」と指定できます。形の印象は画像の検索に、数値の一致は表の絞り込みに任せます。

図面から属性を取り出す

2段階検索の要は、STEP 2で使う属性を図面から取り出して表にすることです。

  • 表題欄:図番・品名・材質・尺度・作成者・日付・改訂記号。位置が決まっているので取り出しやすい部分です。
  • 寸法と注記:外形・主要寸法・穴径・穴数・公差・表面処理。図面全体ではなく、ビュー(正面図・側面図など)ごとに切り出して読ませると読み落としが減ります。
  • 部品表(BOM):組図の部品の品番・数量・購入品の型番。

CADデータが残っているなら、画像から読むよりCADデータから直接取り出すほうが確実です。画像からの読み取りは、スキャン図面やPDFしかない図面に使います。取り出した値は「図面のどこから読んだか」とセットで保存し、人がすぐ確かめられるようにします。この証跡の考え方は、建材カタログの価格更新を自動化した事例でも効いたポイントです。

データの整え方

  • 表記ゆれの辞書:材質・品名・表面処理の言い換えを1つにまとめる
  • 主要寸法の決め方:シャフトなら外径と長さ、プレートなら縦・横・板厚のように、部品の種類ごとに絞り込みに使う寸法を決める
  • 版の区別:最新版・旧版・使わなくなった図面に印を付ける
  • 範囲を絞る:全図面を一度に整えず、よく探される部品の種類から始める

図面から記号・文字・寸法を取り出して表にする技術は、カトルセの開発事例でも使っています(建具記号を検出して数量を集計する仕組み、平面図から部屋名を読み取って面積を計算する仕組み)。

4. 解き方②:検図は「AIに任せる検図」と「人に残す検図」を分ける

検図の相談で多いのは、「記載漏れだけでなく、設計の考え方の誤りも見つけたい」というものです。まず、チェック項目を3つに仕分けます。

分類チェックの例AIと人の分担
A. 機械的なチェック寸法の記入漏れ、表題欄の未記入、材質・表面処理の書き忘れ、社内規格・JISの書き方、部品表との品番の不一致、ビュー間の穴数の不一致AIに任せやすい。AIが指摘し、人が確認する
B. 突き合わせ組図と部品図の食い違い、改訂前後の差分、仕様書と図面の照合、2Dと3Dの食い違いAIが候補を出し、人が判断する
C. 設計の判断機構として成立するか、加工できるか(工具が入るか、加工の基準が取れるか)、組み立て・保守ができるか人に残す。AIは判断の材料をそろえる

Aは、ルールを書き出せばAIに任せられます。カトルセでも、設計図面の寸法漏れ・穴数の不一致・記入ミス・作成者情報の不足をAIで検出し、問題箇所のハイライトと指摘一覧を作る仕組みを開発しています。

Cは、正直に言えば、いまの生成AIに図面だけから判定させるのは難しい領域です。投影図から立体を読み取る推論はAIの苦手分野で、成立性や加工可否は会社ごとの設備や経験にも左右されます。AIにできるのは、ベテランが見るべき箇所を絞り、判断の材料を横に並べることです。「似た構成で過去のDRに出た指摘」「似た形状で起きた加工不良」を検図の画面に並べるだけでも、確認の速さと抜けの少なさは変わります。なお、部品同士の干渉のように3D CADで確かめられることは、CADで確かめるほうが確実です。

最初の作業は、社内の検図チェックリストをA・B・Cに仕分けることです。Aが多いほど、PoCで効果が見えやすくなります。

5. 解き方③:技術伝承は、DR議事録と不具合事例を「根拠つきで引ける」ようにする

ベテランが減ると失われるのは、図面より「なぜこの設計にしたのか」です。理由が残っているのは、DR(デザインレビュー=設計審査)の議事録、不具合の報告書、設計変更の記録、そしてベテランの頭の中です。

これを引き出すのがRAG(検索拡張生成)です。質問に関係する議事録や事例をAIが探して答え、根拠の資料も示せます。カトルセでも、技術文書を横断検索し、根拠の資料やページ番号つきで回答する仕組みを作っています。

議事録の書き方をそろえるのが先

「なぜ」が書かれていない議事録からは、AIも「なぜ」を答えられません。DR議事録には最低限、対象(装置・ユニット・部品名、図番)/指摘とその理由/結論と対策/判断した人と日付をそろえます。

オントロジー(言葉の関係性)の役割

オントロジーは、言葉と言葉の関係を整理した地図です。「たわみ」「撓み」「deflection」は同じ意味、「搬送ユニット」の中に「コンベヤ」「ガイド」がある、「SUS304」は「ステンレス」の一種、といった関係を持たせます。すると「コンベヤのたわみ」で検索したときに「搬送部の撓み」と書かれた議事録も拾え、図面の属性とつなげば「同じ種類の部品で過去に出た指摘」も出せます。

最初から完璧な体系は要りません。冒頭の自動車部品メーカーでも未着手でした。よく出る言葉の同義語辞書と、部品とユニットの親子関係から始め、検索で外れた言い換えを足して育てれば十分に始められます。

年配の設計者の抵抗感にどう向き合うか

ベテランに「AIを使ってください」と頼む必要はありません。頼むのは「判断の理由を残したいので、話を聞かせてください」です。DRでの説明を録音して文字起こしし、若手がAIで整理して議事録にする。この分担なら、ベテランの負担を増やさずに知見を残せます。機密の多い会議は、端末の中で議事録を作るローカルAI議事録で扱う方法もあります。

6. 2D/3Dの照合と2D→3D変換:いまできること・難しいこと

冒頭の半導体検査装置メーカーの工場では、AutoCADの2D図面とSolidWorksの3Dモデルの照合が100枚以上あり、データベース化や2D→3D変換にも関心を持たれていました。2026年10月時点で確認できた範囲で整理します。

テーマ現実的にできることまだ難しいこと
2Dと3Dの照合両方から図番・材質・主要寸法・穴数などの属性を取り出し、表同士を突き合わせて食い違いの候補を出す画像同士を見比べて、形の食い違いをすべて自動で見つけること
図面のデータベース化表題欄・部品表・主要寸法を表にする。読み取りに自信のない箇所に印を付け、人が確認するスキャン図面や手書きの訂正が多い図面を、人の確認なしで正確にデータにすること
2D→3D変換CADの変換機能を人が使う作業の下ごしらえ(各ビューの対応づけ、寸法の一覧化)AIだけで、寸法・公差どおりの3Dモデルを自動で作ること

2D→3D変換は、もともとCADの機能にあります。SOLIDWORKSの「2D to 3D」ツールは、取り込んだ2D図面にビューを割り当てて位置を合わせ、押し出しやカットで立体にしていく手順がヘルプで説明されています(SOLIDWORKS ヘルプ)。ただし、人が操作して進める作業です。

AIによる自動変換は、研究が活発な分野です。2026年8月に公開された「OmniMech」は、寸法・公差入りの2D図面25万枚以上と3Dデータを組にしたベンチマークで、論文は、現在のAIモデルは実行できるCADデータの生成、細部まで正確な3D化、寸法・公差を一貫して守ることにまだ苦戦していると報告しています(arXiv:2608.05539)。

そのため100枚以上の照合なら、1枚ずつAIに見比べさせず、両方から属性を取り出して表同士で突き合わせ、人は食い違いの候補だけを見る進め方を勧めます。

※ 研究の結果は各論文の条件で得られたものです。自社の図面で同じ結果になるとは限らないため、PoCで確かめます。

7. PoCの進め方:対象・正解データ・判断基準を先に決める

図面のPoCが「なんとなく良さそう」で終わる原因の多くは、判断基準を後回しにしたことです。次の順で進めます。

図面AIのPoCの進め方の図。対象を絞る、正解データを用意する、判断基準(上位10件・正解率・確認時間)を決める、検証してできたこと・できなかったことを記録する、進む・範囲を絞る・止めるを判断する、の5段階
  1. STEP 1対象を絞る── 3つの領域から1つ、部品の種類を1〜2つに絞る
  2. STEP 2正解データを用意する── 人が決めた「正しい答え」を数十件そろえる
  3. STEP 3判断基準を決める── 何がどこまでできれば業務で使うかを、使う人と決める
  4. STEP 4検証する── 正解データと比べ、できたこと・できなかったことを項目ごとに記録する
  5. STEP 5判断する── 進む/範囲を絞って進む/止める

対象図面の選び方

CADデータがある図面、CADから出したPDF、スキャン図面は、読み取りの難しさがまったく違います。混ぜると原因が分からなくなるので、状態ごとに分けて評価します。類似検索なら「サイズ違いの仲間」が多い種類をあえて入れます。枚数は、数千枚より、人が正解を確かめられる数十〜数百枚のほうが判断に使えます。

正解データとの比べ方

正解データは、類似検索ならベテランが決めた「この図面の流用候補はこれ」の組、属性の取り出しなら人が入力した値、検図ならベテランの指摘記録です。外部ベンダーが構造化したデータがあれば、それも正解になります。冒頭の自動車部品メーカーのように「同じ粒度で自前でも作れるか」を検証すれば、作れる項目と難しい項目が分かれて見えます。

判断基準の例

領域判断基準の例
類似図面検索探したい図面が上位10件に入る割合、探すのにかかる時間の変化
属性の取り出し項目ごとの正解率(図番・材質・主要寸法・穴数など)、人の確認が必要な箇所の割合
検図の支援ベテランの指摘のうちAIも指摘できた割合、AIの指摘のうち誤りだった割合、1枚あたりの確認時間
技術伝承実際の質問に対し、正しい議事録・事例を根拠として示せた割合

何割できれば使うかは業務で違います。検図は見落としを減らすのが優先なので、誤った指摘が多少混ざっても許容できる場合があります。逆に属性の取り出しで誤りが多いと、検索結果そのものが信用されません。基準の数字は、実際に使う人と決めてください。

期間の考え方

カトルセのAI開発では、要件整理に2〜3週、検証(PoC)に3〜6週を目安にしています。成立しないと判断したらそこで止められ、要件定義書と検証結果は手元に残ります。図面のPoCで時間がかかるのは、開発より正解データづくりです。年度末に判断するなら、正解を作るベテランの時間を先に確保してください。

8. 機密の図面を扱うときの環境:クラウドかオンプレか

図面は自社の競争力であり、お客様から預かった機密でもあります。自社の規程では問題なくても、取引先との秘密保持契約で外部サービスへの入力が制限されている場合があります。

選択肢は、入力データを学習に使わない契約の法人向けクラウドか、社内のサーバーでローカルLLM(社内で動かす言語モデル)を動かすオンプレミス・閉域です。冒頭の工場のようにオンプレが前提でも、属性の表や検索の仕組みは社内で組めます。社内で動かすモデルの読み取り精度と機器(GPU)の費用のつり合いは構成で変わるため、実際の図面で確かめてから判断します。構成と費用の目安は、ローカルLLMのオンプレ構成と費用の記事で解説しています。

9. カトルセの支援

AI開発:成立するかを先に確かめる

カトルセの生成AI開発は、60分の初回相談→要件整理→検証(PoC)→開発・本番化の順に進め、成立するかを確かめてから先に進みます。要件定義書・AI向け指示書・テスト観点表・運用手順書を納品するので、社内で引き継げます。社外に出せない図面は閉域の構成で扱えます。図面まわりで実際に作った仕組み(数量積算・AI検図・面積算出・技術文書の横断検索)は、AI開発事例(図面・RAG)で画面つきで紹介しています。ほかに、図面からのコスト査定や製品の外観検査(画像認識)のご相談にも対応しています。

研修:設計者が自分でAIを使えるようにする

設計者自身がAIを使えるようになると、検図と伝承の取り組みは進みやすくなります。生成AI×設計実務研修は、機械・電気・制御・組込み・プラント・設備の設計・設計補助を担当する方向けに、仕様書の読み解きから試験・検査項目の作成まで、設計の前後の作業をAIで短くする講座です。機械設計の題材では、デザインレビューの観点表づくりや図面と部品表(BOM)の照合を扱い、過去の不具合事例から設計のチェック項目を作る演習もあります。

職種別AI研修シリーズ(全9講座・各11時間)。受講料は全講座共通で1名あたり36万円(税抜)。ライブ形式(対面/オンライン同時双方向)のため人材開発支援助成金の活用をご検討いただけます。支給の可否は都道府県労働局の審査で決まります。申請手続きは社会保険労務士の独占業務のため、必要な場合は提携社労士をご紹介します。

よくある質問

類似図面検索は、市販の図面管理システムと自社開発のどちらがよいですか?

標準の検索で探したい図面が見つかるなら、市販の仕組みで十分です。形が同じでサイズ違いの図面が多い、社内独自の属性で絞りたい、既存のシステムとつなぎたいといった場合は、属性の取り出しと絞り込みの部分だけを足す方法もあります。まず自社の図面数十枚で、どちらの方法なら正解が上位に来るかを比べるのが確実です。

検図はAIに任せられますか?

寸法や表題欄の記入漏れ、部品表との不一致といった機械的なチェックは任せやすい領域です。機構として成立するか、加工できるかといった判断はベテランに残し、AIは過去の指摘や不具合事例を並べて判断の材料をそろえる役にするのが現実的です。出図の承認は人が行います。

2D図面から3Dモデルへの自動変換はできますか?

2026年10月時点では、AIによる自動変換は研究が進んでいる段階で、寸法・公差どおりの正確な3D化はまだ難しいと報告されています。業務では、CADの変換機能を人が使う作業の下ごしらえや、2Dと3Dの属性の照合から始めるのが現実的です。

図面をクラウドのAIに入れられない場合はどうすればよいですか?

社内のサーバーで動かすローカルLLMや閉域環境で構成できます。属性の表や検索の仕組みも社内で動かせます。読み取りの精度と機器の費用のつり合いは、実際の図面を使ったPoCで確かめてから判断します。

まとめ ── 図面のAI化は「分けて、絞って、確かめる」

  1. 3つに分ける。検索・照合/検図・知見の継承は、うまくいったかの基準が違います。
  2. サイズ違いは2段階検索で。形状で候補を集め、寸法・穴数・品名・図番で絞ります。
  3. 検図は仕分けてから任せる。機械的なチェックはAIに、成立性や加工可否の判断は人に残します。
  4. 伝承は議事録の書き方から。根拠つきで引けるようにし、言葉の関係性は使いながら育てます。
  5. PoCは基準を先に決める。対象・正解データ・判断基準をそろえてから検証します。

図面には、会社が積み上げてきた設計の判断が詰まっています。AIでその判断を置き換えるのではなく、探しやすく、確かめやすく、次の世代に渡しやすくする。それが、図面のAI化でいちばん効果が出やすい使い方です。

自社の現在地を確かめる

図面のPoCで正解データを作るのは、現場の設計者です。設計部門でAIがどこまで使われているかを先に把握しておくと、PoCの対象と担当を決めやすくなります。生成AI活用レベル診断(10問・無料)で、個人と組織の現在地と次にやることが分かります。

参考

※ 本記事は2026年10月時点の情報にもとづき、外部の技術情報は2026年10月17日に確認しました。研究の結果は各論文の条件下のもので、自社の図面で同じ結果を保証するものではありません。商談で伺った内容は社名を伏せ、業種のみを記載しています。記載の会社名・製品名は各社の商標または登録商標です。

SHARE /
X f L
SUPERVISOR / 監修者

この記事の監修者

K.H

橋本 健太郎

株式会社カトルセ 代表取締役

生成AI研修・AI開発・AI顧問・PM/PMO支援を提供。累計2,000名以上のAI研修を支援し、大手企業の生成AI活用、ローカルLLM/RAG/AIエージェント導入、業務改善プロジェクトに携わる。実務に直結する「使えるAI活用」を一貫して伝えている。