事例レポート #Claude #動画制作 #内製化

紹介動画の外注に1か月、はもう要らない。型を作れば1本1時間で作れるAI動画制作の実例

公開日 / 読了時間 約10分 / 執筆 代表取締役 橋本 / カテゴリ 事例レポート
ホワイトボードアニメをAIで自作。型を作れば1本1時間、Claude Opusで会社紹介動画を作った全工程
TL;DR / この記事の要点
  • カトルセのサービス紹介動画は、Claude Opusで自作したホワイトボードアニメです。外注はしていません。
  • 最初に「アニメーションの型」を作るのに半日。一度型ができてからは、1本あたり約1時間で作れるようになりました。
  • 必要なのは編集の技術ではなく、伝えたいことを分ける力・絵コンテで合意する力・言葉で直す力・型を残す力です。どれも研修で練習できます。
  • この動画自体が、動画の中で紹介している「速い・続く・残る」の実物見本です。

まずは動画をご覧ください

最初に、完成した動画を見てください。カトルセが何をしている会社なのかを、ホワイトボードに手描きしていくアニメーションで紹介しています。

VIDEOカトルセ サービス紹介|任せて終わりにしない。回せる会社にする。(Claude Opusで自作)/再生できない場合はYouTubeで見る
半日最初の型づくり
(1回だけ)
約1時間2本目からの
1本あたりの制作
外注なし台本から音声・書き出しまで
社内で完結

動画の流れは次のとおりです。

  1. 01多くの会社が抱える課題:提案資料に1週間、紹介動画の外注に1か月、外注費ばかりが積み上がる
  2. 02カトルセの3つの価値:速い・続く・残る
  3. 03成果を出す5つのステップ:見つかる・伝わる・会える・受注する・守る
  4. 04最大の特徴:「外注」ではなく「ガラス張りの自走支援」
  5. 05営業以外への展開:図面からの査定、外観検査、社内AIなど
  6. 06始め方:選べる3つの始め方と7つのパック

この記事では、この動画をどうやって作ったかを、使った考え方と指示の型まで含めてすべて公開します。動画をAIで作る仕組みそのもの(動画をコードとして「書く」とはどういうことか)は、Opus 5.5の動画制作の解説記事にまとめています。ここでは「実際に1本作ってみて、何が必要だったか」に絞ってお伝えします。

1. なぜ会社紹介をホワイトボードアニメで自作したのか

動画の冒頭で取り上げている課題は、実は私たち自身の課題でもありました。

  • 説明が伝わりにくい:カトルセの支援は「研修」「開発」「顧問」と幅が広く、商談で口頭説明すると、相手の頭の中で整理されるまでに時間がかかっていました。
  • 動画は外注するもの、という思い込み:紹介動画を外注すると、打ち合わせ・制作・修正で1か月前後かかります。サービスの中身が変わるたびに作り直すのは現実的ではありません。
  • AIに仕事を任せる力を、自分たちで示したい:お客様に「自社で回せるようになりましょう」と伝える以上、自分たちが外注に頼るわけにはいきません。

ホワイトボードアニメを選んだのは、複雑な仕組みを、手で描きながら順番に説明する表現だからです。図形と文字が中心なので、AIが正確に描ける領域とも重なります。

完成した動画を商談の場で見せると、「これもAIで作ったんですか」と驚かれることがあります。その反応自体が、私たちのサービスの説明になっています。

2. 制作の全工程:型づくり半日、2本目からは1本1時間

制作は2つの段階に分かれます。最初に一度だけ「型」を作り、そのあとは型を使って1本ずつ作る、という流れです。

  1. STAGE 1型を作る(半日・最初の1回だけ)── 手描きの線の出し方、色、文字、場面の切り替えのルールを決めて、AIに渡せる形にまとめる
  2. STAGE 21本を作る(約1時間)── 台本 → 絵コンテ → 動画化 → 修正 → 音声 → 書き出し
制作の全工程の図。STAGE1で見た目・動き・構成・書き出しの4つのルールを決めて型を作り(半日)、STAGE2で伝えたいことを渡す→台本→絵コンテ→動画化→音声→人が確認して書き出し、の6工程で1本を作る(約1時間)

段階1:アニメーションの型を作る(半日)

最初の半日は、動画そのものではなく「このチャンネルの動画は、こう作る」というルールづくりに使いました。具体的には、次のようなことを決めて、Claudeに毎回渡せる形(指示書と部品のセット)にまとめています。

  • 見た目のルール:白い背景、ペンで描かれていくような線、ブランドカラー(ティール #008C8C とオレンジ #F59A2A)の使い分け、文字の大きさ
  • 動きのルール:線が描かれる速さ、文字が出るタイミング、1場面に置く情報の量、場面の切り替え方
  • 構成のルール:1場面1メッセージ、課題→解決→具体例→次の一歩の順に並べる
  • 書き出しのルール:画角(16:9)、解像度、ナレーションと画面の動きを合わせる方法

ここに半日かかったのは、「なんとなく良い」を「毎回同じように再現できる言葉」に置き換える作業だからです。試作を見ては「線が速すぎる」「1画面に文字が多すぎる」と直し、直した内容をルールに書き足していきました。

ポイント
半日かけたのは「1本目の動画」ではなく「何本でも作れる型」です。この差が、2本目以降の速さを決めます。

段階2:型を使って1本を作る(約1時間)

型ができてからは、1本あたり約1時間で作れるようになりました。工程は次のとおりです。

  1. 伝えたいことを渡す:サービスの資料や、商談でよく受ける質問をそのまま渡し、「誰に・何を・何分で」を決める
  2. 台本を作らせる:1場面1メッセージで、ナレーションの文章まで書かせる
  3. 絵コンテで合意する:いきなり動画にせず、場面ごとに「何を描くか・どの文字を出すか・何秒か」を一覧にさせて、ここで直す
  4. 動画にする:型と絵コンテを渡して、Claude Opusにアニメーションを作らせる
  5. 言葉で直す:プレビューを見て、直したい点を具体的に伝える
  6. 音声をつける:台本のナレーションを、GoogleのGemini APIの音声合成で読み上げ音声にする
  7. 書き出して人が確認する:誤字・数字・言い回しを最後に人の目で確かめる

実際に使っている指示の型を、そのまま紹介します。

① 台本と絵コンテを先に出させる

添付の資料をもとに、[誰に]向けて[何を]伝える[N]分のホワイトボードアニメーションを作ります。
いきなり動画にしないでください。まず次の2つを出してください。
1. 台本:1場面1メッセージ。各場面のナレーション全文
2. 絵コンテ:場面ごとに「秒数/ホワイトボードに描くもの/表示する文字/前の場面からのつなぎ」の一覧
資料にない事実や数字は書かず、「要確認」と書いてください。

② 型を渡して動画にする

合意した絵コンテどおりに、添付の「ホワイトボードアニメの型」に従って動画を作ってください。
色・線の描き方・文字の出し方・1画面の情報量は型のルールを優先してください。
ナレーション音声(添付)の長さに、各場面の秒数を合わせてください。

③ 言葉で直す

・3場面目は情報が多いので、2つの場面に分けてください
・「ガラス張り」の文字は、線が描き終わってから0.5秒ためて出してください
・5つのステップは、1つずつ描き足していく見せ方に変えてください
・ほかの場面は変えないでください

最後の「ほかの場面は変えないでください」は、毎回入れています。動画をコードとして書いているので、直したい場面だけを直せます。このやり方の仕組みは、冒頭で紹介したOpus 5.5の解説記事で説明しています。

3. 外注・AI動画ツール・自作(Claude Opus+型)の比較

紹介動画を作る方法は大きく3つあります。今回の経験をもとに比べると、次のようになります。

制作会社に外注・テンプレート型のAI動画ツール・自作(Claude Opus+型)の3つの作り方を、1本目の期間・2本目以降・修正のしやすさ・日本語の文字と数字・表現の自由度・社内に残るものの6項目で比較した図
制作会社に外注テンプレート型のAI動画ツール自作(Claude Opus+型)
1本目にかかる期間打ち合わせ〜修正で1か月前後数時間〜型づくり半日+1時間
2本目以降毎回同じだけかかる数時間〜約1時間
修正のしやすさやり取りが必要テンプレートの範囲内言葉で、その場面だけ直せる
日本語の文字・数字正確ツールによって崩れることがある指定どおり正確
表現の自由度高いテンプレートに依存高い(型の中で自由に)
社内に残るもの動画ファイルツールのアカウント内のデータ動画+型+台本・絵コンテ

差がいちばん大きいのは「2本目以降」と「社内に残るもの」の2行です。外注は何本作っても毎回同じだけ時間と費用がかかります。自作は、最初に作った型が社内の資産として残るので、作るほど速くなります。

※ 外注の期間は、打ち合わせ・制作・修正を含めた一般的な目安です。実写の撮影や人物の演技が必要な動画は、AIで作るより撮影や制作会社が向いています。

4. この1本で使った5つのスキル = 研修で身につくスキル

今回の制作で必要だったのは、動画編集ソフトの操作ではありませんでした。必要だったのは次の5つで、どれも動画に限らず、提案書・研修資料・マニュアルづくりにそのまま使えるスキルです。

動画編集より大事な5つのスキルの図。伝えたいことを分ける力、先に設計図で合意する力、言葉で正確に直す力、ブランドと事実を渡す力、型を残す力
  1. 伝えたいことを分ける力:資料の中身を「1場面1メッセージ」に分解する。提案書を1スライド1メッセージにするのと同じ力です。
  2. 先に設計図で合意する力:いきなり完成品を作らせず、台本と絵コンテの段階で直す。手戻りが大きく減ります。
  3. 言葉で正確に直す力:「なんか違う」ではなく、「どの場面の、何を、どう変えるか」を伝える。指示の質が、そのまま仕上がりの質になります。
  4. ブランドと事実を渡す力:色・トーン・使ってよい数字をAIに渡し、資料にない事実は書かせない。
  5. 型を残す力:うまくいったやり方をルールとして書き残し、次から使い回す。今回の「半日→1時間」の正体はここにあります。

こうした力は、ツールの操作を覚えるだけでは身につかず、自社の業務に当てはめて何度か練習する必要があります。カトルセの職種別AI研修シリーズ(法人向け生成AI研修)(全9講座・各11時間)では、自社の業務を題材に、こうした「指示の型」を演習で身につけます。たとえばマーケティング実務研修では、企画・コンテンツ制作・ビジュアル制作の流れをAIで速くする型を練習します。動画制作を題材にした進め方も、題材のすり合わせの段階でご相談いただけます。

編集の技術がなくても、伝える中身を知っている人が、自分で作れる。それが「全員が、作り手に。」の意味です。

5. 動画で紹介しているカトルセの支援

ここからは、動画の中身そのもの、つまりカトルセのサービスを簡単にご紹介します。私たちの考え方は、動画の最初に出てくる一文に集約されます。

任せて終わりにしない。回せる会社にする。

3つの価値:速い・続く・残る

  • 速い:AIを使い、数日で成果物を形にします。
  • 続く:単発で終わらせず、運用まで回る仕組みを作ります。
  • 残る:業務の「型」とノウハウを、お客様の社内に資産として残します。

成果を出す5つのステップ

ステップ支援の内容
1. 見つかるAI検索(ChatGPTやPerplexityなど)でおすすめを聞かれたときに自社が挙がるようにする対策、HP・記事・コンテンツの整備
2. 伝わる説明が難しい商材の見える化。間取り図から3Dモデル・パースを商談中に示す、今回のようなホワイトボード動画をすばやく作る、など
3. 会える展示会の成果を最大化。名刺交換から当日中のお礼・フォローメール、商談化までを一連の仕組みにする
4. 受注する議事録・提案書・積算見積もりなどの事務をAIが肩代わりし、営業が「売ること」に集中できるようにする
5. 守るWebサイトやフォームの脆弱性診断、AI利用規程・ルールづくりなど、安全に攻めるための土台づくり

「外注」ではなく「ガラス張り」

一般的な外注は、中身が見えないまま成果物だけが納品され、契約が終わると社内に何も残りません。カトルセは、お客様の環境で作業し、プロンプト・テンプレート・業務手順書をすべて納品します。この記事で指示の型まで公開しているのも、同じ考え方です。

営業以外への展開

営業で作った型は、採用資料・新人研修・サポート窓口・社内会議へと広げられます。さらに、図面からのコスト査定、製品の外観検査、社内規程に答えるAI、機密情報を外に出さないローカルAI議事録など、現場やバックオフィスのAI開発にも対応しています。

法人研修の受講者は累計2,000名以上。研修・開発・顧問を組み合わせて、「AIを知っている」で終わらせず、業務の中で使い続けられる状態をつくります。

6. 自社で紹介動画を作る3つの始め方

動画でも紹介しているとおり、始め方は3つから選べます。どれを選んでも、ゴールは「自社で回せる状態(自走)」です。

  • おまかせカトルセ100:自社0
    まずは成果がほしい場合。型づくりから動画制作まで、カトルセが行います。型と手順書はそのまま納品します。
  • いっしょにカトルセ70:自社30
    作りながら覚えたい場合。型づくりは一緒に行い、2本目からは自社で作れるように伴走します。AI顧問の形でご一緒することが多い進め方です。
  • 専任者育成カトルセ30:自社70
    社内に作れる人を育てたい場合。職種別AI研修で指示の型を身につけ、自社の題材で型づくりまで行います。

職種別AI研修シリーズ(全9講座・各11時間)。受講料は全講座共通で1名あたり36万円(税抜)。ライブ形式(対面/オンライン同時双方向)のため人材開発支援助成金の活用をご検討いただけます。支給の可否は都道府県労働局の審査で決まります。申請手続きは社会保険労務士の独占業務のため、必要な場合は提携社労士をご紹介します。

導入は「無料診断(現状と課題の整理)→ ご提案 → スタート」の3ステップです。展示会の準備から動画・資料までまとめて整えたい場合は「展示会まるごとパック」、AI検索での見つかりやすさから整えたい場合は「AIに選ばれる会社づくりパック」など、7つのパックからも選べます。

よくある質問

動画編集の経験がなくても作れますか?

作れます。編集ソフトは使わず、伝えたい内容・絵コンテ・修正の指示を言葉でAIに渡して作ります。必要なのは編集の技術より、何を伝えるかを決めて、直してほしい点を正確に言葉にする力です。

Copilotしか使えない会社でも作れますか?

今回の作り方はClaudeを使っています。社内の規程でClaudeが使えない場合は、まず利用できるAIで台本・絵コンテづくりまでを内製化し、動画化の工程はカトルセが担う「おまかせ」「いっしょに」から始める方法があります。

ナレーションはどう作りましたか?

台本をもとに、GoogleのGemini APIの音声合成で作りました。ほかの音声合成サービスでも同じ流れで作れます。

素材やライセンスで気をつけることは?

フォント・BGM・効果音・画像素材のライセンスを確認します。動画の書き出しに使うツールによっては、企業規模に応じた有償ライセンスが必要です。内容の正確さの最終責任は人が持ちます。

まとめ ── 最初の半日を、何本分もの1時間に変える

  1. 紹介動画は、もう外注しなくても作れる。カトルセのサービス紹介動画は、Claude Opusで自作しました。
  2. 速さの正体は「型」。最初の半日で型を作れば、2本目からは1本約1時間です。
  3. 必要なのは編集の技術ではなく、伝える力と直す力。どちらも研修で練習でき、動画以外の資料づくりにも効きます。

「動画にするほどでもない」と諦めていた説明が、自社で、1時間で動画になる。そうなったとき、動画は外注プロジェクトではなく、日々の営業の道具になります。

自社で1本目を作るなら

型づくりの前に、まずは台本や修正の指示をAIに出すことに慣れておくと、1本目が速くなります。業務でそのまま使える実践プロンプト100選(無料配布)から、手元で試してみてください。

※ 本記事の内容は2026年10月時点の情報にもとづいています。AIモデル・音声合成サービスの提供形態や料金、各ツールのライセンス条件は変わることがあります。判断の際は提供元の公式ページと利用規約をご確認ください。

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SUPERVISOR / 監修者

この記事の監修者

K.H

橋本 健太郎

株式会社カトルセ 代表取締役

生成AI研修・AI開発・AI顧問・PM/PMO支援を提供。累計2,000名以上のAI研修を支援し、大手企業の生成AI活用、ローカルLLM/RAG/AIエージェント導入、業務改善プロジェクトに携わる。実務に直結する「使えるAI活用」を一貫して伝えている。