【2026年11月】AI最新モデルまとめ:GPT-6.1 Terra・Gemini 4 Carbon・Claude Duetと、法人での使い分け
- 10月17日〜31日は、毎日使うモデルが入れ替わる発表は少なめでした。新しいモデルはGPT-6.1 Terra(Microsoft Foundryの一覧に10月26日版として追加)と、GoogleのGemini 4 Carbon(10月28日発表・まずサイバー防御の専門家に限定提供)です。
- Anthropicは新モデルを出さず、先回りして動くエージェントのアプリClaude Duetを米国で研究プレビューとして始めました(10月21日)。日本での提供時期は未発表です。
- 企業に効くのはむしろ周辺の変化です。同じモデルを自社のクラウドの契約で使える範囲が広がり(Google CloudでOpenAIとClaude)、部署ごとの予算・利用レポート・費用の上限など管理の機能が各社から出ました。
- 乗り換えより先に、毎月「自社の契約の中で使えるか」「データの扱いは変わったか」「費用と使われ方を見られるか」の3点だけ確かめる。これがカトルセの勧める見直し方です。
前回の月次まとめ(2026年10月版、10月17日公開)では、ChatGPT・Gemini・Claudeの3社がそろって新しい世代に切り替わった様子を整理しました。今回はその続きとして、10月17日から31日までに出た発表をまとめます。
結論から言うと、この2週間に「社員が毎日使うモデルを変えるべきか」を迫られる発表は多くありません。目立ったのは、最上位のモデルをどこで・誰に・どんな条件で使わせるかという、法人の運用に関わる発表です。載せるのは各社の公式発表・公式文書で確認できたものだけで、OpenAIの発表はMicrosoft・Googleの公式文書で確認できた範囲に限っています。
1. 10月17日〜31日の主な発表を一覧で
日付順の流れです(日付は各社の発表日や文書の日付。米国時間の発表を含みます)。
- 10/20GoogleGeminiに小規模事業者向けの新しいツール(事業者向けのページ、各種アプリとの連携)
- 10/21AnthropicClaude Duetの研究プレビュー(米国・順番待ち) Google CloudOpenAIのモデルを限定プレビューで提供開始
- 10/22AnthropicGoogle Cloud上でAnthropicが運用するClaudeの提供を開始/Agent Skillsを中立の団体へ移管
- 10/26MicrosoftMicrosoft Foundryのモデル一覧にgpt-6.1-terra(10月26日版)
- 10/27GoogleGenie 4を発表(研究段階・限られたテスター向け) MicrosoftMicrosoft 365 Copilotのリリースノート(10/13〜27分)
- 10/28GoogleGemini 4 Carbonを発表 AnthropicClaude Enterpriseに利用レポート・部署ごとの共有予算
- 10/29GoogleGeminiアプリで文書・PDF・スライド・表の作成と編集 AnthropicAPIの利用量・費用を分析するAPI(ベータ)
- 10/30Google Cloud費用の上限(spend caps)を一般提供

主なモデル・機能を表にすると、次のとおりです。
| モデル・機能 | 提供元・日付 | 何が新しいか | 使える人・場所(10月31日時点) |
|---|---|---|---|
| GPT-6.1 Terra | OpenAI (Microsoftの文書で確認。10/26版) | GPT-6.1世代の新しいモデル。一度に扱える量は約105万トークン、PC操作に対応、学習データは2026年6月まで | Microsoft Foundry(東日本リージョンを含む)。ChatGPT・OpenAI APIでの提供範囲はOpenAIの公式発表で確認を |
| Gemini 4 Carbon | Google 10/28 | Googleが「最も強い」とするモデル。サイバー防御と、何日もかかる長い作業に強い | まず一部のサイバー防御の専門家。一般向けは時期未定 |
| Claude Duet | Anthropic 10/21 | 自分から優先事項を知らせ、席を外しても作業を続けるエージェントのアプリ(Claude Opus 5.5が土台) | 米国のPro・Max・Ultra利用者から、順番待ち |
| Google CloudのOpenAIモデル | Google Cloud 10/21 | GPT-6 Astra・GPT-6.1 Sol・GPT-6 LunaをGoogle Cloudの契約・請求の中で | 一部の企業顧客に限定プレビュー |
※ 前回の10月版で紹介したGPT-6・GPT-6.1 Sol・Gemini 4 Argon・Claude Opus 5.5/Sonnet 5.5/Haiku 5.5は、この記事では繰り返しません。料金はいずれも100万トークンあたりの米ドル建ての価格です。
2. OpenAI:GPT-6.1 TerraがMicrosoft Foundryに、OpenAIのモデルはGoogle Cloudでも
GPT-6.1 Terra:Microsoft Foundryのモデル一覧に「10月26日版」
Microsoftの公式文書「Foundry Models sold directly by Azure」では、GPT-6.1シリーズにGPT-6.1 Solと並んでgpt-6.1-terra(版の日付は2026年10月26日)が「NEW」として載りました。文書に書かれている主な仕様は次のとおりです。
- 一度に扱える量(コンテキスト):1,050,000トークン(入力922,000・出力128,000)。最大出力は128,000トークン。
- 学習データ:2026年6月まで(GPT-6.1 Solは2026年4月まで)。
- できること:推論、Responses API・Chat Completions API、構造化出力、文字と画像の処理、関数・ツールの呼び出し、PC操作(computer use)、複数エージェントの連携(プレビュー)。
地域ごとの提供状況の表では、グローバル標準とデータゾーン標準のデプロイで、東日本リージョン(japaneast)も対象に入っています。
一方、ChatGPTのどのプランで使えるか、OpenAIのAPIでの料金、GPT-6.1 Solとの使い分けについては、この記事ではOpenAIの公式発表を確認できていません。導入を検討する際は、OpenAIの公式発表と、Azureの料金ページで最新の価格をご確認ください。なお、Foundryの一覧には2026年7月9日版の「gpt-5.6-terra」も載っており、Terraは前の世代から続く名前です。
OpenAIのモデルがGoogle Cloudでも(10月21日・限定プレビュー)
Google Cloudは10月21日、GPT-6 Astra・GPT-6.1 Sol・GPT-6 LunaをGoogle Cloudのモデル置き場(Model Garden)で提供すると発表しました(Google Cloudの発表)。いまは一部の企業顧客向けの限定プレビューです。
- 利用料はGoogle Cloudの請求書にまとまり、既存の利用契約(コミットメント)の消化にも数えられます。
- Googleは、入力・出力は指定した境界の中にとどまり学習に使われないと説明しています。データを残さない設定は「近日対応」です。
- Azureを使っている会社は、新しいOpenAIのモデルを自社のAzure契約の中で試せる場面が増えています。東日本リージョンを選べるかは、デプロイの種類ごとに一覧で確かめます。
- Google Cloudを使っている会社は、OpenAI・Claude・Geminiを1つの契約と請求で扱える方向に進んでいます。ただしOpenAIのモデルはまだ限定プレビューです。
3. Google:Gemini 4 Carbonは「まず防御側から」、Geminiアプリは資料の編集まで
Gemini 4 Carbon(10月28日):最上位モデルを、まずサイバー防御の専門家に
Googleは10月28日、Gemini 4 Carbonを発表しました(Google公式ブログ)。Googleは「これまでで最も強いモデル」とし、サイバーセキュリティと、長時間かけて進める作業で最先端の性能だとしています。2週間前に広く提供を始めたGemini 4 Argonに続く発表です。
- 提供の仕方:発表の週から、まず一部のサイバー防御の専門家に提供し、Fairwind Programを通じて信頼できるパートナーへ段階的に広げます。開発者・企業・一般の利用者への提供は「できるだけ早く」とし、日付は示されていません。
- 料金:提供時はGemini 4 Argonと同じ導入価格(入力2ドル/出力10ドル、キャッシュした入力は95%引き)で始め、導入期間の後は入力4ドル/出力20ドルになるとしています。
- 得意なこと:脆弱性の発見から修正までを通して強いとし、脆弱性の発見を測る評価(SEC-bench Pro)で88.2%などの数字を示しています(ガードレールなしでのGoogleの計測)。
業務で効く場面:当面は一般の企業が直接使うモデルではありません。ただ、「AIが脆弱性を見つける側に回る」流れははっきりしてきました。自社のシステムの脆弱性対応の考え方は、脆弱性の原因と対処法2026にまとめています。
Geminiアプリで、文書・PDF・スライド・表をその場で作って直せる(10月29日)
Geminiアプリで、文書・PDF・プレゼン資料・表計算・コードなどを、チャットの中で作成・プレビュー・編集できるようになりました(Googleの発表)。一部を選んでGeminiに直させることもできます。PDFはWebとスマホ、ほかの形式はWebのみで、Geminiアプリのすべての利用者が対象です。
そのほかのGoogleの発表
- 小規模事業者向けのツール(10月20日):Geminiに事業者向けのページが加わり、Googleビジネスプロフィール・Google広告・Google Workspaceや、Canva・Shopify・Xeroなど外部のアプリとつなげられます(Googleの発表)。
- Genie 4(10月27日):言葉で指示して動かせる仮想の世界を作る研究段階のモデルで、いまは限られたテスターだけです(Googleの発表)。
- Google Cloudの費用の上限(10月30日・一般提供):予算に上限を設け、超えたら従量課金の利用を止めます。AIのサービスでは数分以内に効き、上限の50%・80%・100%で通知が届きます(Google Cloudの発表)。
4. Anthropic:新モデルはなし。Claude Duetと、管理者向けの機能
Anthropicのニュース一覧とリリースノートを見る限り、10月17日以降に新しいモデルの発表はありません。最も新しいモデルは10月7日のClaude Haiku 5.5のままです。開発者向け資料の勧めも変わらず、迷ったらClaude Opus 5.5、難しい推論や長時間のエージェント作業はClaude Fable 5.1です。そのかわり、アプリと管理の機能で発表が続きました。
Claude Duet(10月21日・研究プレビュー):自分から知らせてくるエージェント
Claude Duetは、Claudeが先回りして動くエージェントとして働く新しいアプリです(Anthropicの発表)。Anthropicは、抱える仕事が多すぎる専門職や小規模事業の経営者向けと説明しています。
- できること:毎朝、つないだアプリ(メールやチャットなど)の大事な項目をまとめて届け、日中は必要なときだけ知らせます。日程調整から売上予測づくりまで頼め、専用の仮想マシンで、自分のPCを閉じていても作業を続けます。
- 止まるところ:メッセージの送信、支払い、署名、削除の前には、何をするかを示して承認を待ちます。株の売買や口座間の送金などは、承認があってもできません。クレジットカード番号や公的な身分証の番号は送らないよう、専用の仕組みで確かめます。
- 使える人:米国のPro・Max・Ultraの利用者から、順番待ちで始まっています。利用はプランの上限に数えられ、数時間ごとの確認も含まれます。
日本での提供時期は発表されていません。日本で使えるようになったとしても、個人向けプランのアプリで、メールやチャットを読み、送信や支払いの準備までする道具です。会社のアカウントをつなぐ前に、何をつないでよいか、どこで人が承認するかを社内で決めておく必要があります。考え方はHuman-in-the-loopとはと生成AIの社内規定の作り方にまとめています。
Claude Enterprise:部署ごとの共有予算と、使われ方のレポート(10月28日)
Claude Enterpriseで、3つの機能が一般提供になりました(Anthropicの発表)。
- 部署ごとの共有予算(pooled group budgets):グループに月の予算を1つ持たせ、よく使う人が月初に個人の上限で止まりにくくします。個人の上限も併用でき、どちらか先に尽きたほうで止まります。予算の50%・75%・95%・100%で、請求の権限を持つ管理者にメールが届きます。
- 利用レポート(smart reports):チームと期間を選ぶと、どんな仕事に使われ、いくらかかり、どこでつまずいているかをまとめます。Anthropicは、個人の評価や人事の判断に使うものではないと明記しています。
- アプリ内のアンケート:役立った使い方などを、使っている画面の中で短く聞けます。
あわせてAPIでも、モデル・ワークスペース・APIキー・利用者ごとに利用量と費用を集計できる分析用のAPI(ベータ)が10月29日に出ました(APIのリリースノート)。
Google Cloud上で、Anthropicが運用するClaude(10月22日)
Google Cloudの中でClaudeを使う方法が2つになりました(Google Cloudの発表)。新しい「Anthropic運用」は、Claudeの新機能を発表当日から使え、Google Cloudの認証(IAM)と請求のまま使えます。従来の「Google運用」は、新機能の反映に時間がかかるかわりに、Google Cloudがデータの処理者となり、データを置く地域(米国・EU・アジア太平洋)の指定などに対応します。違いは8章で整理します。
Agent Skillsを中立の団体へ(10月22日)
Anthropicは、AIエージェントに仕事の手順や専門知識を教える共通の形式「Agent Skills」を、Linux Foundation傘下のAgentic AI Foundationに移しました(Anthropicの発表)。ChatGPTやGitHub Copilotなど70を超える基盤が取り込み済みとしています。社内の手順をスキルの形で書いておけば、特定のAIに縛られにくくなります。
5. Microsoft 365 Copilot:使われ方を測る指標が増えた
Microsoft 365 Copilotのリリースノート(10月13日〜27日の更新分)には、新しいモデルの追加はありませんでした。目立ったのは、運用を助ける機能です。
- Copilotの利用指標の追加:Viva InsightsのCopilotダッシュボードで、Outlook・Word・Excel・PowerPointでの返信の提案、翻訳、データの整理など、機能ごとの使われ方を見られるようになります。
- Learning agent:社員の役割や仕事に合わせて、短い学習や学習計画を出すエージェントです(Windows)。
- 独自のMCPコネクタ:管理者が、自社のデータにつなぐコネクタをMicrosoft 365管理センターで作り、全社に配れるようになります。
Copilotしか使えない会社には、新しいモデルよりどの機能が使われていないかを数字で見られることのほうが効きます。無償版のCopilotで進める場合はCopilot無償版しか使えない会社の生成AI活用をご覧ください。
6. 10月版から何が変わったか:4つの流れ
10月前半は「3社の世代交代」でした。10月後半の発表を並べると、次の4つの流れが見えます。

| 流れ | 10月後半の主な発表 | 企業にとっての意味 |
|---|---|---|
| ① 最上位モデルは、まず限られた相手に | Gemini 4 Carbon、Genie 4、Claude Duet(米国で順番待ち) | 発表=すぐ使える、ではない。社内に紹介するときは「いつ・誰が使えるか」を添える |
| ② 同じモデルを、自社のクラウドの契約で | Google CloudでOpenAIとClaude、Microsoft FoundryにGPT-6.1 Terra | 試すたびに新しい契約を結ばずに済む場面が増え、請求と管理を一本化しやすい |
| ③ 予算と使われ方を管理する機能 | Claude Enterpriseの共有予算・利用レポート、Google Cloudの費用上限、Copilotの利用指標 | 「使い過ぎ」と「使われていない」の両方を数字で見られる |
| ④ 先回りして動くエージェント | Claude Duet(毎朝の要約、承認つきの代行) | 指示を待つAIから、自分から知らせるAIへ。つないでよいアカウントと承認の線引きが先に要る |
7. 法人での使い分け:自社の環境別に、今月やること
使い分けの基本形(主力1つ+用途別に1〜2つ)は10月版から変わりません。ここでは、自社がすでに使っている環境ごとに、今月の発表で何が変わり、何から手をつけるかを整理します。

| 自社の環境 | 今月の発表で変わること | まずやること |
|---|---|---|
| Microsoft 365中心(Copilot) | 機能ごとの利用指標が増えた。Azureを使っていれば、FoundryでGPT-6.1 Terraを試せる | 使われていない部署・機能を見つけ、研修や手順書をそこに当てる |
| Google Workspace中心(Gemini) | Geminiアプリで資料の作成と編集まで。Gemini 4 Carbonは一般向けには未提供 | 資料づくりの手順を「下書き→その場で直す」に見直す。Carbonは待つ |
| ClaudeやChatGPTを法人契約 | Claude Enterpriseで部署ごとの共有予算と利用レポート。Duetは米国の個人向けプランから | 予算を「人ごと」から「部署ごと」に変えるか検討する。Duetは規程を先に |
| APIで自社システムに組み込み | Google CloudにOpenAI(限定プレビュー)とAnthropic運用のClaude。費用上限や費用分析APIも | 検証環境に低めの費用上限を先に設定。本番の見積もりは標準価格で |
| 機密情報の扱いが厳しい | 同じClaudeでも「誰がデータを預かるか」を選べるようになった | データの処理者と処理する地域を確かめる(8章) |
部署ごとに別々のAIを契約していて費用や使い方の差が気になる会社は、生成AIツールが部署ごとにバラバラの手順で棚卸しから始めるのが近道です。
8. データの扱い:「どこで動くか」と「誰が預かるか」
法人向けプランなら入力が学習に使われない、という基本は10月版で書いたとおりです。今月の発表で新しく考えておきたいのは、同じモデルでも、使う経路によってデータを預かる相手や処理する地域が変わることです。
| 経路 | データを預かる相手・処理する場所 | 確かめること |
|---|---|---|
| Google Cloud上のClaude(Google運用) | Google Cloudが処理者。顧客管理の暗号鍵や、米国・EU・アジア太平洋でのデータの所在地の指定に対応 | 新機能の反映に時間がかかってもよいか |
| Google Cloud上のClaude(Anthropic運用) | Anthropicが処理者(Anthropicの利用規約のもと、Google Cloudの基盤上で運用)。認証・監査ログ・請求はGoogle Cloud | Anthropicが処理者になることを、社内の規程や顧客との契約が許すか |
| Google Cloud上のOpenAIモデル | Googleは、データが指定した境界の中にとどまり学習に使われないと説明。データを残さない設定と機密コンピューティングは「近日」 | 限定プレビューであること。本番に使う前に提供条件を確認 |
| Microsoft Foundry(GPT-6.1 Terraなど) | デプロイの種類(グローバル標準・データゾーン標準など)ごとに選べる地域が決まる。東日本リージョンも対象 | 選んだデプロイの種類で、データがどの範囲で処理されるか |
どの経路でも外に出せない情報がある場合は、手元で動かす方法(ローカルLLM)が残ります。構成と費用の目安はローカルLLMのオンプレ構成と費用にまとめています。
9. 商談で聞いた声と、カトルセが提案している進め方
商談で聞いた「どのAIを、どう使わせるか」の悩み
10月にカトルセがお会いした企業でも、モデルの名前より、社内でどのAIをどう使わせるかの相談が続きました。業種と規模だけにして並べます。
| 業種・規模 | 商談で聞いた様子 |
|---|---|
| 化学・樹脂の専門商社(100名未満) | Geminiの有料版を全社員が使えるが、使う人と使わない人で差があり、やり方が人に偏るのを心配している。 |
| Geminiを全社導入した企業(社長同席の商談) | 全社導入のあと定着が進まず、AI活用のルールも未整備。次の打ち合わせまでに、GeminiとClaudeの使い分けと、アクセス権限の整理の材料をお出しすることになった。 |
| 情報処理・デジタルデータ制作 | 部署ごとにClaude・ChatGPT・NotebookLMなどが乱立し、費用が増え、成果物を共有できず、使う人の差も広がっている。セキュリティの決まりでAIに入れられる情報が限られ、ローカルLLMも視野に入れている。 |
| ゴム製品メーカー | 課長以上に、ChatGPT・Claude・Copilotのうち本人が希望したものを配っている(複数も可)。1つに絞るのはリスクと考え、AI同士で答え合わせをさせる使い方もしている。社内のAI規定を整えている最中。 |
| IT(ソフトウェア)(100〜299名) | 事業部ごとに別のAIを導入している。顧客の案件のデータをAIに入れることに抵抗感がある(法人向けの契約では学習に使われない点はお伝えした)。 |
どの会社も、「最新のモデルに乗り換えるかどうか」で迷っているわけではありません。迷っているのは、誰に、どのAIを、どの情報まで使わせるかです。今月の発表(部署ごとの予算、利用レポート、クラウドの契約の中での提供)は、まさにこの悩みに向いた機能です。
カトルセが商談で提案している進め方:毎月の見直しは3つの質問だけ
ここからは、カトルセが商談でお伝えしている考え方です。導入の実績や効果を示すものではありません。
- 自社の契約の中で使えるようになったか:新しいモデルは、すでに契約しているMicrosoft 365・Google Workspace・クラウドの中で使えるようになってから検討します。新しい契約を増やすたびに、管理と費用が重くなるからです。
- データの扱いは変わったか:学習に使われるか、どこで処理されるか、誰が預かるか。今月のように、同じモデルでも経路で答えが変わることがあります。
- 費用と使われ方を見られるか:部署ごとの予算、費用の上限、利用の指標。見られないまま全社に広げると、「使い過ぎ」と「使われていない」の両方に気づけません。
使い分けそのものは、業務で決めます。商談では、たとえば「業務の効率化が中心ならClaude、画像の生成もするならChatGPTを併用」のように、業務と道具の組み合わせでお伝えしています。そのうえで、どの部署がどのAIを使ってよいかを、入れてよい情報の区分と一緒に1枚の表にすることをお勧めしています。モデルの名前は毎月変わっても、この表の枠は変わらないからです。
表を作っても、社員が自分の業務で使い分けられなければ成果にはつながりません。カトルセの職種別AI研修シリーズ(法人向け生成AI研修)では、ChatGPT・Claude・Gemini・Copilotのうち御社で使えるAIで、業務ごとの指示の型を演習します。職種別AI研修シリーズ(全10講座・各11時間)。受講料は全講座共通で1名あたり36万円(税抜)。ライブ形式(対面/オンライン同時双方向)のため人材開発支援助成金の活用をご検討いただけます。支給の可否は都道府県労働局の審査で決まります。申請手続きは社会保険労務士の独占業務のため、必要な場合は提携社労士をご紹介します。毎月の見直しや社内ルールづくりを継続して伴走する場合は、AI顧問もご用意しています。
10. 11月に確認しておく日付
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 11月30日 | Gemini 4 ArgonのAPIの導入価格(入力2ドル/出力10ドル)が終わり、12月から標準価格(入力4ドル/出力20ドル)に(Google Cloud)。試算をやり直す |
| 11月30日 | Claude APIで、Claude Opus 4.8の高速モード(fast mode)の提供が終了。以降はエラーになるため、Claude Opus 5.5へ移行(APIのリリースノート) |
| 未定 | Gemini 4 Carbonの一般向けの提供。提供時はArgonと同じ導入価格で始まる予定 |
| 未定 | Claude Duetの日本での提供。Google CloudのOpenAIモデルの一般提供と、データを残さない設定 |
よくある質問
GPT-6.1 Terraは使えますか?
Microsoftの公式文書では、Microsoft Foundry(Azure OpenAI)のモデル一覧にgpt-6.1-terra(版の日付は2026年10月26日)が載っており、東日本リージョンを含む地域でデプロイできると案内されています。ChatGPTのどのプランで使えるか、OpenAIのAPIでの料金は、OpenAIの公式発表でご確認ください。
Gemini 4 Carbonはいつから使えますか?
2026年10月31日時点で、一般向けの提供日は発表されていません。Googleは10月28日の発表で、まず一部のサイバー防御の専門家に提供し、Fairwind Programを通じて信頼できるパートナーへ段階的に広げると説明しています。開発者・企業・一般の利用者には「できるだけ早く」提供するとしています。
Claudeの最新モデルはどれですか?
2026年10月31日時点で最も新しく出たモデルは、10月7日のClaude Haiku 5.5です。10月17日以降、新しいモデルの発表はありません。Anthropicの開発者向け資料は、迷ったらClaude Opus 5.5から始め、難しい推論や長時間のエージェント作業にはClaude Fable 5.1を使うよう勧めています。
Claude Duetは日本で使えますか?
2026年10月31日時点では、米国のPro・Max・Ultraプランの利用者から、順番待ちの研究プレビューとして始まっています。日本での提供時期は発表されていません。日本で使えるようになっても個人向けプランのアプリなので、会社のメールやチャットをつなぐ前に社内の規程で扱いを決めておくことをお勧めします。
まとめ ── 乗り換えより、使わせ方を整える月
- 新しいモデルは2つ。GPT-6.1 Terra(Microsoft Foundryに10月26日版)とGemini 4 Carbon(まずサイバー防御の専門家に限定)。Anthropicは新モデルなしで、Claude Duetを米国で研究プレビューとして始めました。
- 同じモデルを、自社のクラウドの契約で。Google CloudでOpenAIとClaude、FoundryでGPT-6.1 Terra。経路によって、データを預かる相手と処理する地域が変わります。
- 予算と使われ方の管理が各社から。Claude Enterpriseの共有予算と利用レポート、Google Cloudの費用上限、Copilotの利用指標。
- 毎月の見直しは3つの質問だけ。自社の契約の中で使えるか、データの扱いは変わったか、費用と使われ方を見られるか。
まず試すプロンプトを手元に置く
新しいモデルが自社の契約の中で使えるようになったら、同じ指示を出して比べるのがいちばん早い確かめ方です。業務でそのまま使える実践プロンプト100選(無料配布)から1つ選び、いま使っているモデルと新しいモデルに同じ指示を出して、結果を見比べてみてください。
※ 本記事は2026年10月31日に上記の公式ページで確認した情報にもとづいています。OpenAIの発表は、OpenAIの公式ページをこの確認では閲覧できなかったため、Microsoft・Googleの公式文書で確認できた範囲だけを載せています。GPT-6.1 TerraのChatGPTでの提供範囲と料金など、公式ページを確認できなかった発表は記載していません。料金は100万トークンあたりの米ドル建て、性能の数値は各社の発表値です。提供範囲・料金は国や契約、段階的な展開によって変わることがあります。商談で伺った声は、企業が特定されないよう業種と規模だけにしています。紹介した進め方はカトルセが商談で提案している内容で、導入の実績や効果を示すものではありません。本記事に登場する製品名・サービス名は、それぞれの提供元の商標または登録商標です。
